前回の感想はコチラ。
第3話あらすじ(フジテレビより引用)
音(有村架純)は練(高良健吾)と再会を果たす。音は、練から携帯電話の番号を教えてもらっていた。
木穂子(高畑充希)は、練のために調理器具や食器、部屋のカーテンなどを買いそろえる。練の部屋を訪れた木穂子は、勤務している広告代理店で自分の企画が通った、と報告する。練は、それを聞いて喜んだ。
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ハイライト
さて、2話ラストに出てきたカーテンを選ぶ木穂子(高畑充希)から3話スタートですね。
私もいつ恋2話の高畑充希の演技を見て、晴れてファンクラブ会員にステップアップしましたので、
思う存分MIKKAIしたり、褒めていきたいと思っています。
大きいプレゼンで木穂子の企画が通ったことを練(高良健吾)に報告します。
練も嬉しそうです。
ついに音(有村架純)と木穂子が出会います。
間接的には前回出会っていたと考えています。*1
木穂子の「髪になんかついてる」っていうのは、いわゆる彼女アピール。
練も木穂子を「付き合ってる人です」と紹介します。
この時点で、練と木穂子は付き合っていません。
こういうのが本当にニクいですね...。
立場を分断。
音に立場の違いを認識させる意図があります。
「さっきちょっと意地悪だったでしょ、あたし」木穂子が言います。
さっきの彼女アピールのことを指してます。
「ああいう紹介しなくてよかったのに。この子には他に好きな人がいて、その人は結婚してるんだよ。
かわいそうでしょ?だから僕は一緒にいてあげてるだけなんだよー。」木穂子は続けます。
練は木穂子をベンチに座らせ、
「もうそういうのやめよう。それは、最初は、俺も木穂ちゃんも上手くいかないこと多くて、
そういう寂しいの埋めるためとかあったけど、でももう俺だけを見てくれないかな。付き合おう。どう?」
木穂子は、
「真面目だなあ、練は。気持ちは嬉しいよ、ありがとう。」
と返します。
ここで大事なことは、2つあります。
「タクシー」と「木穂子の心情」です。
ですが、ここではいったん置いておき、どちらも後で触れることにします。
小夏(森川葵)は晴太(坂口健太郎)に連れられ、ヘアサロンやセレクトショップへ。
セレクトショップでは、大学生には少し高めのコートを試着し、気に入ります。
ここで、着た服を「脱ぎたくない」といったのは晴太に田舎くさいって言われたこと以外に意味がありそう。
小夏は木穂子というオシャレな人を見ているわけで、そのオシャレな木穂子は練に選ばれている。
小夏も練に好意があるのは明らかで、自分が選ばれないことの一因に、オシャレじゃないことが関係しているのでは?
おそらくこう考えたんじゃないかなと思います。
入れ歯の持ち主を的確に当てる朝陽(西島隆弘)。
音も見直してきているようです。
当初のチャラさが微塵もないのですが...。
木穂子に連絡するも返事はありません。
それにしても、プラネタリウムのチケットを買うっていいですね。
練に好感が持てるのは、どんな相手であっても背伸びをしないところです。
偶然、練と音は同じバスに乗り合わせます。
窓に指で「おつかれさま」って月9ポイント高いですね!!
ここで、先ほど保留にしていた「タクシー」について。
このドラマに出てきた乗り物はトラック、バス、タクシー。
音と練はトラックでもバスでも同じ空間を共有しています。
しかし、木穂子は同じ空間を共有していません。
木穂子が「(タクシーに)乗る?」と聞いて、練が「いいや」と答えており、明確に否定されています。
つまり、同じ目的地を共有できていないということ。
バス停降りた後のやり取りもいいですね。
有村架純の表情も思わせるところがあって、よいです。
3話では、練と音の"すれ違い"が1つの柱になっているので、
距離をとったり、歩く方向が逆になっている演出が多いです。
ここでもタクシー。
小夏もタクシーに乗らないということを意味しています。
つまり、練を想う人たちの中で、タクシーに乗るのは木穂子だけ。
花の写真を撮る練。
後のフラグです。
朝陽は父親・伊吹征二郎(小日向文世)と愛人の間に生まれた子供でした。
異母兄弟の兄、そして父親とも確執がありそうです。
金髪の高橋一生に慣れてきました。ありがとうございます。
そして、2話の感想で触れていた木穂子と練の出会いについて語られました。
過去に配達先で自殺しかけてた女性、それが木穂子でした。
その時は練が病院に運び、一命を取り留めたみたいです。
「バカ、かわいそうなのはあんたの方だよ。」
2話で静恵さん(八千草薫)が、「練の周りにはかわいそうな人が寄ってくる」と言っていましたね。
佐引もその1人です。
女社長は面倒ごとを避け続けるかと思っていたので、少し意外なシーンでした。
(木穂子がお金を返しに来た際に何か会話している?)
介護施設でのイベントが変更になったため、子供達に渡す予定だったプレゼントを届けに行く練と音。
その帰り道で、木穂子と不倫相手の逢い引きシーンを目撃してしまいます。(木穂子の服装に注目です)
練とは乗れなかったタクシーに、不倫相手と乗っていることも大事なポイントです。
近くから音楽が聴こえた練と音はふらーっと音の鳴る方へ。
コンサートをしているようですが、チケットがないため、会場には入らず、外の"指定席"に座って音楽を聴きます。
アルプス一万尺をするまでのくだりは、完全に坂元裕二節。
流れ出すのは「Moon River」。*2
Two drifters, off to see the world
There's such a lot of world to see
We're after the same rainbow's end
(意訳)
2人は世界を見るため旅に出た流れ者
世界は見るべきもので溢れている
虹の切れ端を追いながら
練と音にわずかながらリンクさせているのかな?
んー、ふつうにスタンダードナンバーをかけただけかな。
練が言った「人身事故のとき、舌打ちした人を見てしまったときのなんとも言えないイヤな感じ」
これは2話で音が言っていたことと、まんま同じです。
音も花の写真を撮っていました。
練が花の写真を撮っていたのも音に見せるためでした。
もはやこれは坂元裕二における手紙のやり取りに当たるほどの価値を持つシーンなのですが、
驚くなかれまだ3話です。通じ合っちゃってる。
ここでニクイのは、音に「いつか...」と言わせることです。
この言葉に続くのは、言わずもがな1話の母からの手紙に出てきた「いつか、たった1人の人に出逢えるといいね。」です。
しかし、練には木穂子という存在がいることを意識し、音はぐっとこらえました。
正直、このシーンはややくどいのですが、これがあることで帳消しとなりました。
車内の会話がいいですね。
「犬の名前」を何回か挟みつつ、進行していく会話。
音は坂元裕二的ヒロインによくあるエスパー気質を持っているので、
基本的に練の考えてることが分かるし、アレが何を指すか的確に捉えます。
練が何度か言っていた「なんで...」というのは、おそらく後に続く言葉がそれぞれ違うはずです。
それを「好きやからに決まってるやん」という強引な力技でねじ伏せるのは流石。
小夏は練に褒めて欲しいだけなのですが、練には、
「おめーそれでいいのか?」
と言われてしまいます。
闇落ちするワードなので、用法・用量を守る必要があります。
まだまだ息をつかせません。
怒涛の展開で、木穂子が病院にいる旨の連絡を受けた練は早速向かいます。
携帯を見ると、木穂子からメールが入っていました。
以下、内容です。
電話だと勇気が出なかったのでメールします。
あのね、わたし、練にたくさんウソをついてました。
広告代理店っていうのは本当だけど、練に話していたような仕事はしていません。
わたしの仕事はデスクの事務です。
勤務表を整理したり、領収書を集めて仕分けしたり。
企画会議には呼ばれない仕事です。
みんなからは親しみを込めて、「日陰さん」と呼ばれています。
練に会いに行くとき、わたしは駅のトイレで着替えています。
トイレの鏡でお化粧をしています。
「日陰さん」から「日向さん」へ変身します。
わたしの父も経理の仕事をしていて、母は専業主婦でした。
同級生が父と母の笑顔を見ていて、「何かのアニメのネズミの笑い方に似てるね」と言いました。
わたしは人前で笑うのをやめました。
東京の大学に入って、男性と付き合いました。
彼は自分の友人にわたしを紹介しませんでした。
はじめて寝た夜、彼が言いました。
「お腹すいたから、おにぎり買って来てよ。」
一生こうなんだろうなと思いました。
わたしは新しいペンを買ったその日から、それが書けなくなってしまうことを想像してしまう人間です。
誰にとっても特別な存在になれないのなら、初めからそのつもりで付き合えばいい。
そうして出会ったのが、今の恋人なんです。
何も期待せず、望まずにいられる関係。
わたしは朝起きると、まず初めに今日1日を諦めます。
だけど、きっと、まだ心の奥のところで、諦めが足りなかったのでしょう。
練に助けられたとき、ずっとこのまま抱きしめられていたい、と思いました。
本当の自分を見られるのが怖かったから、ウソをたくさんつきました。
あなたの前でもう1人の自分になれることが嬉しかった。
「日向木穂子」で居られることが嬉しかった。
あたし、笑える。
ネズミの顔じゃなく、笑える。
だけど、いつでもあなたと別れられるように、夢から醒められるように、保険をかけていたんです。
でも、もうそれもやめにします。
練、あなたと付き合いたい。
あなたを恋人だと思いたい。
買ったばかりの新しいペンで、思う存分あなたを好きだと綴りたい。
今から彼に別れを告げてきます。
もう駅のトイレで着替えるのはやめます。
地味なわたしを見たら、驚くかもしれないけど、その子が本当のわたしです。
じゃあね。
あとでね。
きほ
来ました、木穂子の背景です。これが知りたかった。
「何も期待せず、望まずにいられる関係。」というのがまさに不倫。
好きだった人に奥さんがたまたまいたとかではなく、不倫が都合良かったんですね。
それにしても、そっちが保険だったとは。
期待せずとはいっても、現状を維持したい気持ちは強くあったのだと思います。
まとめ
カーテンを買うなどといった行為は、木穂子がいう「衣食住」の「住」への移行だと思います。
不倫相手との生活に憧れての擬似なのかと思ってましたが、そうではないみたい。
今回買ったものは戻したりしちゃうのかな?
しかし、「衣食住」というのも練と会うときの「日向木穂子」の考え方、いわば木穂子の描く形であって、実際の経験に基づいてないのかもしれないな…。
木穂子がいうウソがどこまでを指しているか正直読みきれていません...。
ここの考察はとっておくことにします。
そして、ここまで取っておいた木穂子の心情についてです。
木穂子の起点となったのは、まずは練からの「付き合ってる人です」という宣言からでした。
手紙によると、「彼は自分の友人にわたしを紹介しませんでした。」とのことなので、
ここも木穂子にとってひとつのポイントだと思います。
決定付けたのはやはり練からの告白でしょう。
ウソをついて、練を騙していることへの罪悪感。
そして、そんな自分を練が好いてくれていること。
そんな自分の愚かさにやり切れないといったところでしょうか。
ただ、練も木穂子の前ですべてを曝け出してはいません。
このあたり、「本当の」木穂子と対面した時にどう描かれるか期待です。
最後に、少し妄想の話を。
そういう意図で描かれていないと思うので、話半分で聞いてください。
ポプラでビールを飲むシーンの意味を考えました。
まず、色が気になりました。
ポプラという"赤"を主としたコンビニで木穂子が選んでくるのは、"緑"の商品。
ビールのラベル部分が"緑"、その後に出てくる木穂子の服も"緑"、テーブルも"緑"。*3
なんだか『問題のあるレストラン』の結実(二階堂ふみ)を思い出してしまいます。
結実は"緑"を選んでくる人生を送ってきました。*4
今回、木穂子は"緑"の役を担っているのではないでしょうか。
だって、藍里(高畑充希)が差し出した"赤"と"緑"のアイスクリームのうち、
"赤"のアイスクリームは結実に奪われてしまったからね。
木穂子が買ってきた包丁の柄の色は"赤"でした。
彼女が最終的に選ぶ色が赤だとしたら...?
なーんてね。
本当に坂元裕二は高畑充希に大役を与えますね。
3話で木穂子はタクシーから降りるキッカケを得ました。
このあとの話で、木穂子と練が同じバスに乗るシーンがあるとしたら、坂元裕二は明確に乗り物を意識しています。
この先、音・木穂子・小夏は、練と同じバスに乗り込むのだと思います。
終着点は同じなのか、またはそれぞれの終着点は同じだとして、着いた後は誰と歩み始めるのか?はたまた...。
強く見ることをオススメするドラマです、4話も楽しみです。
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*1:http://re-fort.hatenablog.com/entry/2016/01/26/233500
*2:最初に流れていたのは「On The Sunny Side Of The Street」
*3:もちろん木穂子がデパートで買ってきたものすべてがすべて緑ではないですが