前回の感想はコチラ。
第2話あらすじ(NTVより引用)
かつて更生施設で一緒だった“カノン”こと紙野彦星(清水尋也)の病気を治すには、お金が必要であることを知ったハリカ(広瀬すず)は、「林田印刷所」の名前を頼りに亜乃音(田中裕子)の元を訪ねる。そこで再会を果たすのだが、亜乃音の持っていたあの札束の衝撃的な真相を知ることとなる。
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ハイライト
こういう前のシーンと関連させての場面切り替え、今回多用しますねー。
坂元裕二ファンにはおなじみのくだりが出てきましたね。
一人暮らしをしている人の中でも、帰ってきたときに「ただいま」っていう人はいると思うんですが、
そういう人って行くときにも「行ってきます」っていうのかな。
亜乃音が天気予報の通行人をみていたのはこれが原因だったんですね。
あーこれよ、これこれ。本題を切り出すまでのこの空気。
おかえりなさい、坂元さん、この愛おしい間が私は大好きです。
1話に続き、やっぱり照明を点ける/消すっていうのを明確に意識してそうですね。
この一連の表現、すごいですね。書き起こしておきます。
こんな表現、思いつかないもんなあ。
すずちゃんのこのタメ口になりつつ、たどたどしさの残る喋り方、すごくいいですね。
わかったのは、パッて持った感じが違う。
目はだまされたけど、指は気づく。
持ったこの一瞬の指先で、あっ違うってわかるんだよ。
暗いところで知らない人の手をなんかつないでしまったみたいなんです。
日常生活で積極的に使っていきたい質問。
社会からひどい目に遭わされた人は、死ぬ前にすることがあるでしょ!
怒るんですよ!
るい子に発破をかけられる舵。
舵という名前には、実際に人生の"舵"をとってきたのは誰なのか?という皮肉が込められているんでしょう。
死の宣告を自暴自棄にならずに受け止めることができた舵が、
どのくらい自分の気持を発露していけるか今後楽しみですね。
玲の話を聞かされてからのすずちゃんの表情、すごくいいですね〜。
1話から続けて描かれている忘れ物。
ネカフェ組が解散してから、1度スケボーを忘れそうになってましたが、
今回は帽子を亜乃音が見つけてくれました。
ハリカの"忘れ物"は今後も描かれそうです。
誰がおしえてくれるか?もポイントですね。
ひさしぶりのパジャマと44度のお湯。
それにしてもめっちゃかわいいですね。
おかあさんじゃないの。
玲はね、この人と別の女の人との間にできた子なの。
その人は玲を産んで、すぐどっかいなくなっちゃって。
私と玲は血がつながってないの。
でもさあ、誰から産まれたかなんてそんなに大事なことかな?
ただお腹の中に10ヶ月いただけのことでしょ。
私は0歳の時からずっと玲と一緒だったんだよ。
抱っこしてミルクあげてウンチ取り替えて。
一緒に自転車乗って、入学式出て、お弁当作って。
おかしいかな?
自分がお母さんだと思っちゃうじゃない。
お腹の中にいたとかどうかなんてどうでもいいと思っちゃうじゃない。
顔だって19年一緒にいたら似てくるもん。
「そっくりね」って言われて、「そうでしょ」って答えてたもん。
それをさ、1日だけふっと現れた人が壊しちゃうの。
「私、あなたの本当のお母さんなんだよね」って。
「メールアドレス交換しようよ」って。
簡単。
10年、15年、ちょっとずつ積み上げてきたものを、
簡単にちょんって壊しちゃう。
お母さんをただのおばさんに変えちゃう。
紙に走り書きされたメールアドレスがお母さんになる。
産まれたときからずっとつないでた手の感触が変わっちゃう。
知らない人の手をつないだみたいになっちゃう。
仕方ないのかな。
愛されてたって、愛してくれなかった人のほうが心に残るもんね。
人は手に入ったものじゃなくて、手に入らなかったものでできてるんだもんね。
産んだ気になってたんだけどね。
最高の離婚を彷彿とさせる台詞もあったりして、懐かしく感じました。
子供の取り違えを扱った是枝監督の『そして父になる』に、こんな言葉が出てきます。
雄大「良多さんも俺なんかより若いんだからさ。もっと一緒の時間作った方がいいよ、子供と」
良多「まあ、いろんな親子の形があっていいんじゃないですかね」
雄大「お風呂も一緒に入らないんだって?」
良多「うちは一人でなんでもできるように、って方針なんですよ」
雄大「そうか、方針か。ならしゃあないけど、でもさ、そういうとこ面倒くさがっちゃダメだよ」
雄大「こんなことは言いたかあないけど。俺、この半年の『交換お泊り』で、これまで良多さんが慶多と一緒にいた時間よりも、長く一緒にいるよ」
良多「時間だけじゃないと思いますけどね」
雄大「何言ってんの。時間だよ。子供は時間」
良多「僕にしかできないできない仕事があるんですよ」
雄大「父親かて取り換えのきかない仕事やろ」
私もワーカホリックの傾向があるので、とても身に沁みる言葉でした。
『そして父になる』では、大切なのは"血の繋がり"じゃなくて"一緒に過ごした時間"とされていました。
私もそれに同意見です。
玲が亜乃音の元を去った本当の理由がとても気になります。
"手の感触"というところは先程のハリカが偽札に対して言った言葉と被せてきています。
つまり、本物の1万円札=おかあさん、偽札=おばさんという縮図です。
そのとおりだと思います。
ハリカがネットカフェで、3人で過ごした空間には間違いなく愛があったでしょう。
亜乃音の家に侵入した舵とるい子。
しかし、舵が乱暴に物を出していくのは少し違和感がありますね。
性格的に丁寧に物を出していって、るい子にトロトロしないで!とか言われてそうなる方が自然かも?
このカットに至るまでの演出、いいですね〜。
玲の息子の友達が手を振って、その奥に亜乃音がいるんですね。
小学生が別れ際に思いっきり手を振っているように自分も手を振りたいけれど。
玲に必要とされてないと思っている亜乃音は振ることができませんでした。
このときの亜乃音の手の動きもすごくいいですね。
我らが瑛太は毎度最後に出てきて、焦らしますね。
家が荒らされているのに気づく亜乃音。
ハリカはリュックを置いていっているので、わりとすぐにハリカがやったのではない、と気付きそうですね。
まとめ
第1話の駆け足感に比べ、第2話は非常に丁寧に描かれている印象です。
というか、めちゃめちゃいいです。
すずちゃん、田中さんの演技も圧巻です。
照明の点ける/消すは多用しすぎてちょっとくどいかも。
玲が亜乃音の元を去った理由はなんなんでしょうね。
本当の母親じゃないからか、本当のことを打ち明けてくれなかったからか、はたまた別の理由か。
本当の母親の借金を肩代わりすることになってしまって、亜乃音に迷惑をかけないように去った、とかいう展開もありそう。
京介が偽札を刷っていたのは、おそらく玲のためであろうと考えるのが自然なので。
やっぱり坂元さんの作品は「流れる時間、空気感」を楽しむ人向きだと思うんですよね。
よくある"観客の90%が最後まで騙されてました"、みたいな映画。
ああいうどんでん返しや展開がコロコロ変わるものが観たいわけじゃ私はないんですよね。
なので、偽札を刷った理由なんかも最後まで引っ張らず程よい感じで描いてくれるといいな、と思います。
次週は瑛太がついにみんなと出会ってくれるので、その点も楽しみです!!