アメトーークにPerfumeが出ていた。
2006年からは木の子が作詞をしなくなり、作詞・作曲 中田ヤスタカ全面プロデュースのテクノポップワールドが広がっている。
これがPerfumeが紅白に初出演した2008年の記事。
「紅白本番でやりたいことは何ですか?」という記者の質問に、Perfumeのあ~ちゃんは「出場させていただいているだけで十分です、歌も詞も曲も書いていませんし。でも紅白で中田(ヤスタカ)さんの曲を歌っている人はいないので、曲だけは本当にいい曲なので胸を張って踊りたいです」と緊張気味に語った。
Perfumeが大事にしているのはライブで、つまりファンに直接声を届けることだ。
特にあ~ちゃんには人一倍その思いが強く、それが中田ヤスタカの声を加工する・削ぎ落とすという方針とうまく折り合っていなかった。
理解はしているが、心の底からは腹に落ちてはいなかったのほうが近いかもしれない。
上の記事でもあ~ちゃんは「歌う」ではなく「踊る」という言葉を使っている。(ここに強い意志を感じる)
2009年の記事でも、あ~ちゃんの発言からは苦悩が見え隠れする。
あ:でも"Speed of Sound"見たいなやつばっかりになってくのもどうかと思いますね。
あ:Perfumeが歌う意味あるのかなって。Capsuleさんはそれでいいじゃないですか。ライブが軸でも無いし。
あ:そればっかりになっていくのは怖いけど。ほんとに素材としてしか考えられていないっていうのは。
この時には中田ヤスタカの"いち素材"として自身が扱われていることで、
3人ありきの「Perfume」の存在意義を見失いかけてる気がする。
しかも、それが世間に爆発的に評価されている難しい時期だった。
正直、このころにはしばらくたたないうちにPerfumeは解散するだろうなと思っていた。
2013年、アルバム「LEVEL3」の記事。
あ:今回みたいなアルバムって、3年前だったら絶対にみんなから受け入れられなかったと思うんですよ。
あ:「Spending all my time」のリミックスとか、3年前に発売されてたらたぶん私も受け入れられず、戸惑いながら取材を受けてたんだろうなって。
あ:でも今はそれが完全に飲み込めてて、むしろこの曲を材料にライブをするのが超楽しみって思えてるので、それだけ自分たちが進化してるというか、成長して大人になれたってことなのかなって思ってます。
あ~ちゃんにも変化があり、わだかまりが解けているようにみえる。
中田ヤスタカのほうでも、2010年以降は人工的なエフェクトから、より自然で肉声に近いエフェクトへとシフトしている。
年月をかけて、あ~ちゃんなりにメンバーなりにプロデューサーなりに考え抜いてきた結果だろう。
私は口パク否定派で「声」で伝えてほしいと思うタイプだった。
上述の通り、初めはあ~ちゃんも同じだった。
なので、最初から、「声」を失うことに抵抗のないアーティストは応援する気にはなれない。
ただ、あ~ちゃん・西脇綾香の苦悩、そして成長とともに、Perfumeの意志を感じ続けてきた。
そんなPerfumeだからこそ、これからも応援していきたい。
最近のPerfumeは本当に楽しそうだ。
結成15周年、おめでとうございます。
- アーティスト: Perfume
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- 発売日: 2015/10/28
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